「現場に出たら自己判断」将在軍、君令有所不受

将は軍に在っては、君令も受けざる所有り

―将在軍、君令有所不受―

[原文](史記 司馬穰苴列伝 第四)
将在軍、君令有所不受
[書き下し文]
将は軍に在っては、君令も受けざる所有り
[原文の語訳]
将軍が軍中にいる時は、主君の命令であろうとも受けない事がある
[解釈]
軍の指揮権を与えられた将軍は、たとえ主君の命令であっても現場優先でそれを拒否することがあるということです。
責任者は裁量権を与えられるとともに責任を背負うこととなります。部下の命運を預かって自分の責任のもとで行動を起こすのに、そこへそれが上司からであったとしても外部から干渉が足かせになってはいけません。
現場ではその時々に臨機応変な対応が必要です。そこへ状況を知らずにあれこれと指示を出されては困るだけです。
上司としても現場を任せたのなら腹を据えて結果を待つことです。途中で経過を確認をする程度に抑え、よほど組織への損害が発生しそうな場合を除いては信頼することが大事です。またどうしても指示に従ってもらいたい場合は、丁寧に理由を説明し、理解し納得してもらい、その責任を自分がきちんと負うことが重要です。
やたらと説明もせず干渉しておきながら結果がよくないと担当者に責任を押し付ける上司には困りものです。
上司の命令を拒否するのであれば、自分の中に確固たる算段と信念、拒絶する強い意志と、結果責任を甘んじて受け入れる覚悟が必要です。権限と責任は同胞なのです。
マニュアルやメニューにない要望を聞き入れる場合は、受けることによって予定や段取りに大幅な変更をきたしたり、周りを混乱させないかを考慮したうえで責任を持って判断する必要があります。
現場で即断即決をする場合には、まず指揮下にある組織や連携するところの現状をしっかり把握しておくことが大事です。己を知っていれば、上の命令を拒んででも無理のない適切な判断ができるのです。
[参考]
司馬穰苴 – Wikipedia

[人を動かす名言名句集―21世紀に生きる]

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[中国古典一日一言]

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