「無意識のうちに無理な要望をしていないか」上求材臣残木

上材を求むれば臣は木を残う

―上求材臣残木―

[原文](淮南子 説山訓)
上求材臣残木、上求魚臣乾谷。
[書き下し文]
上材を求むれば臣は木を残(そこな)う、上が魚を求むると臣は谷を乾す。
[原文の語訳]
君主が木材を求めると臣下は木を全て切り倒してしまい。君主が魚を欲しがると臣下は谷の水を乾かしてしまう
[解釈]
君主のちょっとした言葉に臣下は必死に応えようとして大規模な行動に出る。上にとって些細なことでも下に対して大きな影響を及ぼす弊害があるということです。トップダウンによる独裁力が強いとより顕著に出ます。
影響力を持つ幹部が頼む際に抽象的な表現をすると、部下は気分を損ねないため類似品も含めて多数用意してしまうことです。また買い手の取引先担当者が承知の上で欲しいものをわざと口にし、売り手側が探し求めて提供することもありました。
議会で的はずれなとんでもない質問を用意をすると、回答するために役所職員が徹夜で右往左往して情報を集めるといいます。
上司が部下を使うように部下も上司を上手に使わなければいけません。その一つの手として、この影響力を有効利用したいところです。
トップが気分やノリで言ったひと言が周囲に大きな波紋を広げているのには困ったものです
現場を視察するトップは自分の経験知を使って改善指示を与えることがあります。担当する部署や責任者を置きながら頭越しにするようでは組織内に歪みを生みかねません。
自分はそんなつもりでなくても、無意識のうちに相手に無理な要望をしているかもしれません。相手の受け取り方も意識したいものです。
[参考]
【上材を求むれば臣は木を残う】 ( その他教育 ) – 「くろご式 慣用句辞典」の更新履歴 – Yahoo!ブログ

[人を動かす名言名句集―21世紀に生きる]

平成28年(2016年)9月1日からから平成29年(207年)6月15日までの今日の一言は「人を動かす名言名句集―21世紀に生きる」からの一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

[中国古典一日一言]

平成27年(2015年)5月1日から平成28年(2016年)4月30日までの今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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