兼道にて軍を進める
―兼道進軍―
- [原文](三国志 魏書 賈逵伝)
- 乃兼道進軍、多設旗鼓為疑兵。
- [書き下し文]
- 乃兼道にて軍を進め、旗鼓を多く設ければ疑兵と為す。
- [原文の語訳]
- つまりニ日の行程を一日で進軍し、旗鼓を多く設けて疑兵にした。
- [解釈]
- 「兼程前進」の由来です。昼夜に構わずニ日の行程を一日で進むということです。
- 賈逵は先達している敵陣営に対して、軍の進行の早さに加えて、見せかけながら兵も多いと思わせるなどして、相手の不意をつき精神的優位に立つ作戦をとり相手を逃走させました。
- 先方の計算を上回る早さで対抗できれば相手は動揺します。さらに数も揃っていればなおさらです。今回は見せかけであり実数では少数であったにも関わらず、それをカバーする戦術を用いて成果をあげることができたのです。
- 早さに勝るものはないといいます。完全を目指して遅れるよりも、あまりに拙速ではいけませんが、八割の出来でもまずは先手を打つことで結果的に成果があるということです。
- 売出し合戦でライバル店よりも先にチラシをうったが実は地元で仕入れられる量はあまりない、という状況に似ています。そうなると仕入先へ夜を徹して引き取りに行くことで在庫量を確保するなどのフォロー策が必要となります。
- 取引先への提案もまずは迅速に叩き台を提案し、その後に要望を聞き入れながら完成形を目指すことがあります。
- ブームに先駆けるには周囲よりも早い段階で発表しておいて、その後に改善をしながら独自のモノにしていくのがよいかもしれません。
- [参考]
- 【兼程前进】意思_出处 – 成语词典
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