太祖は之を追って封じた
―太祖追封之―
- [原文](三国志 魏書 張魯伝)
- 今閻圃諫魯勿王、而太祖追封之。
- [書き下し文]
- いま閻圃は張魯に王勿れと諌め、太祖は之を追って封じた。
- [原文の語訳]
- この度は閻圃が張魯に王号を名乗らせないように諌めていた事に対し、太祖は評価して爵位を与えた。
- [解釈]
- 目先の結果や加点評価だけではなく、過去に遡って損害や減点要素を防いだことも評価すべきということです。
- 今回、太祖(曹操)が閻圃に爵位を与えたのは、過去に張魯が身勝手に王号を名乗ろうとしたことを止めた過去の実績を評価してのことでした。
- 過去のことであってもきちんと正当に評価することで、人々はきちんと働きを見てもらえているのだと励みになります。たまに「再評価」という話題がでたりしますね。
- 業績を上げるために合理化を図ることは大事ですが、切り捨てる部分においてもどれだけ合理的に行なうかが大事です。スパッと切り捨てる潔さもよいですが、足枷にならず将来再登板の可能性があるものを残しておける裁量も必要です。
- 名声を求めて何にでも手を出そうとするトップに対し、時にキャパオーバーだったり身分不相応と諌めることで、現在の職務をしっかりと完遂させ、結果的にその名をさらに高めさせたとすれば、トップはその時のアドバイスを評価しなくてはいけません。
- あの時が分岐点、ターニングポイントだったという思いがあれば、その時に登場したアドバイザーや物事への感謝を忘れず、折をみてお礼や恩に報いることをしたいものです。
- [参考]
- 中國哲學書電子化計劃字典
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