「反対を無視した独断専行になっていないか」衆怒難犯、専欲難成

衆怒は犯し難く、専欲は成り難し

―衆怒難犯、専欲難成―

[原文](春秋左氏伝/左伝 嚢公十年)
子産曰、衆怒難犯、專欲難成。合二難以安國、危之道也。不如焚書以安衆。子得所欲、欲爲政也。
[書き下し文]
子産曰く、衆の怒りは犯し難く、欲を專らにすれば成り難し。二難を合わせて以て國を安んぜんとす。危の道なり。書を焚きて以て衆を安んずるに如かず。子は欲する所を得、衆も亦安きを得、亦可ならずや。政を爲さんと欲するなり。
[原文の語訳]
子産が言う、諸役人や国民が怒り出したら大変な結果になります。誓文を焼いて国を安定させ、その後に策を謀ればいいでしょう。あまり性急にしてはいけません。
[解釈]
反対多数を押し切って自分の欲求を満たそうとするとろくなことがない
反対多数の中で事を成すことは混乱を招き、しっぺ返しがくる。消費税を導入した時が典型的な例かもしれません。
組織内でもトップダウンであれこれ自分勝手気な方針を次々と打ち出していると、そのうち不満が爆発してクーデターが起きて突然解任なんてことも。
一方でそれが「道を正すための最善の策」だとしても、あまりに突発過ぎたり、内容が過激だと拒絶反応が出る場合があります。原文はそれを諌めたもの。猪突猛進・直球勝負だけでなく懐柔作戦も必要。
事を起すときには見えない不満分子にも気を配り、独断専行になっていないか常に自省するように心がける。
[参考]
春秋左氏傳_襄公二_メイン

[中国古典一日一言]

今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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