「自分だけじゃなく皆に利益がもたらされるように」公事有公利、無私忌

公事に公利ありて私忌なし

―公事有公利、無私忌―

[原文](左伝 春秋左氏伝 昭公三年)
惠伯曰、公事有公利、無私忌。椒請先入。乃先受館。敬子從之。
[書き下し文]
惠伯曰く、公事(こうじ)には公利(こうり)有りて私忌(しき)無し。椒請う、先ず入らん、と。乃ち先ず館を受く。敬子之に從う。
[原文の語訳]
公的な仕事に携わる者は公(おおやけ)の利益だけを追求すべきで、個人的な感情を交えたり私的な利益を追求してはならない。
[解釈]
政治家で信条にしている人が多いようです。
一個人の利益になる仕事よりも、多くの人や社会全体の利益になる仕事をしましょう。
公的に限らず民間でも、最近は異業種がグループを組んだりコラボレーションしたりしていますが、そういう時でも自社だけが儲かるような考えではいけないですね。
私欲なく事にあたっていると、俺が俺がということもなく、目的に達すれば引き際もさっとできるはずです。しかも、そういうできる人は周りが放っておかず次の引き合いもくるでしょう。
渋沢栄一氏も論語と算盤の中で孟子の言葉として「もし、みんなのためのことを考えずに、自分一人の利益ばかりを考えれば、人から欲しいものを奪い取らないと満足できなくなる」と語っています。
麻雀の桜井章一氏も自著の中で「当たり牌を振り込んで相手にあがらせてあげることで、卓上は活性化する。活性化したほうがみんな気持ちよく打てるし、めぐりめぐって自分にもいい手がやってくる。そういうものだ。」と語っています。
「日本初」のオンリーワンに飽きたらず、何でもかんでも「日本一(ナンバーワン)を」と自分のところだけ潤えば良いという考えでいるリーダーのもとでは部下の周りの目を気にしてしまいますよね。
[参考]
中国古典 政治
春秋左氏傳_昭公一_原文
No.119 大人物は、例外なく公利公欲の人 | 林英臣.com

[中国古典一日一言]

今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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