「親しき仲にも礼儀あり」処朋友、務相下則得益、相上則損

朋友に処するに、務めて相下れば則ち益を得相上げば則ち損ず

―処朋友、務相下則得益、相上則損―

[原文](伝習録)
処朋友、務相下則得益、相上則損
[書き下し文]
朋友に処するに、務めて相下(くだ)れば則ち益を得相上(しの)げば則ち損ず
[原文の語訳]
友人と付き合うには、謙虚な態度でつき合うことで得られるものがあり、見下せば損をすることになる
[解釈]
私的な交友関係にまで損得勘定やビジネス感覚をもちこまないようにしましょう。相手の肩書や身分の上下などではなく、本人が持っている「徳」を友にしましょう。
友人とつきあう時に、相手から良い面を学ぶように務めればそれは得になりますが、相手を見下すような傲慢な態度では、気づいた相手もそれに反応し良い面を伏せてしまい、得られるものも得られなくなってしまいます。せっかく良い面同士で切磋琢磨していける機会を損失してしまうのです。
「人生の大病はただこれ一の傲の字なり」のごとく、相手を見下すことは人生の大病なのです。交友関係でなくても、普段から肩書や才能を鼻にかけているようではいけません。
先輩だからといって無理やり自分の利益を優先して後輩に自社製品を買わせたり、自分の店で金を使わせるようでは、相手もそのうち距離を置くようになり疎遠となっていくでしょう。せっかくコンスタントに使ってくれていたのが強引さが仇になって使ってくれなくなっては結果的に損をしたことになるのです。
本来、付き合いが長くなれば相手の良さに次々と気づき、それによって自然と相手に敬意を払うようになるのが流れなのかもしれません。しかし人は長くつきあうと、気になる点を見つけるようになり、そのうちにそれを指摘したくなってしまうものです。本当は欠点を探すのではなく、自分の修養となる面を探さなくてはいけないはずなのですが…。
片手ほどの来店でもすでに常連さん顔となり、自分のペースで店側のリズムを崩す人もいます。
「親しき仲にも礼儀あり」です。
[参考]
陽明学の学問の作法
西郷派大東流合気武術 宗家直伝・個人教伝
雑感

[中国古典一日一言]

今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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