「上り終えた次は更に危険の多い下りがある」亢竜有悔

亢竜悔いあり

―亢竜有悔―

[原文](易経 乾卦)
亢竜有悔
[書き下し文]
亢竜(こうりゅう)悔いあり
[原文の語訳]
天に昇りつめた竜は、あとは下るだけであるから後悔する。栄達を極めた者は必ず衰える
[解釈]
頂上にまで昇りつめた者はやがて転落の道を辿って悔いを残すことになる。
高い地位を持っている人や多くの財産を持っている人は、慎みを持って行動しなければ失敗して悔いることになる
登山も登頂すると次には下山が待っています。だれも頂上には定住しません。さらに登山よりも下山のほうが難しいと言われます。無事に下山して、はじめて成功となるのです。
山の頂は鋭くて狭いです。そこでさらに上を目指すとなると空にめがけてジャンプすることになります。欲張ってジャンプを繰り返し、万が一にも着地に失敗すると転倒し、そのまま転がり落ちてしまいます。
じゃあどうするか。それは一度、慎重に下山(成功は過去のものとし現状を把握する)し、今よりも標高の高い山(目標)を見つけて、新たに登り始めることです。そうすることで順番に高い山(目標)を制覇(達成)していくのです。それが連山(多角経営)であっても、一度は途中の谷まで下山する必要があるのです。
器に水が溢れんばかりに入っているのに、さらに水を注げば当然溢れてこぼれてきます。欲望や満足を限度を超えて、いつまでも求め続けると、気がついた時「覆水盆に返らず」となっているかもしれません。
販売が好調だからと消費動向を分析することなく、ただ利益を求めるがために安易に量産体制を増強していると、販売量が下がってきた時に、さて在庫はどうする?工員はどうする?となるのです。
同じような忠言は様々なところで出てきます。「君子もまた満ち足りた状態を求めてはならない」「欹器は満つるを以って覆る」「四時の序、功を成す者は去る」「進むを知って退くを知らず」「久しく尊名を受くるは不詳なり」
[参考]
「亢竜有悔」(こうりょうゆうかい)の意味

[中国古典一日一言]

今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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