「このことならあの人と言われるように」国士無双

国士無双

―国士無双―

[原文](史記 淮陰侯列伝)
諸將易得耳。至如信者、国士無双
[書き下し文]
諸将は得易きのみ。信の如き者に至りては国士にして双(なら)ぶ無(な)きなり
[原文の語訳]
諸将を得るのは容易いことです。しかし韓信のような者となると、国家に二人といない人材です
[解釈]
劉邦が韓信を軽視していたことに対し、蕭何が重要視するように進言したときの口説き文句。韓信は国家に二人といない人材であって、現在の低い職位では才能を発揮できないばかりか、自分が軽視されていることに嫌気をさし、重用してくれそうな他国へ行ってしまう恐れがあるという内容。
「国を背負って立つ」まではいかなくても、身の回りで「この人の右に出る者はいない」という得意な分野をひとつは持ちたいですね。ただ取りあげてもらえないからといって腐ってはいけないですが…。
「人格があれば才能はさらに評価される(徳は才の主、才は徳の奴なり)」(菜根譚)ではないですが、才能を自ら売り込み過ぎるあまり度を越してしまうと、逆に疎ましく思われたり野心があると疑念を抱かれる可能性もあります。人格もきちんと持ち合わせていれば、周りが立ててくれるのです。
今の時代で考えると一人競技が浮かびます。その実力を認められていて、代表として日の丸を背負うなど、ひとり頂点を目指す。プレッシャーはかなり大きいですね。一方でその地区では代表となれないから外で出て他地域での代表となる選手もいますね。
[参考]
史記の淮陰侯列伝の国士無双の訳を教えてください!範囲は”信数与蕭何語、何奇… – Yahoo!知恵袋
国士無双 – ウィクショナリー日本語版

[中国古典一日一言]

今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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