「上への恨みを下にぶつけない」所悪於上、母以使下

上に悪む所、以って下を使うことなかれ

―所悪於上、母以使下―

[原文](大学)
所悪於上、母以使下
[書き下し文]
上に悪む所、以って下を使うことなかれ
[原文の語訳]
仕えている上の者を憎く思う時には、もって(下の者の心を推し量って)自分がそのような方法で下の者を使わないようにする
[解釈]
上下関係に限らず、自分が相手の言動に不満に思うとき、自分は他の人に同様の言動をしていないか考えてみましょう。相手は自分の鏡です。
体育会系の部活動では先輩後輩の上下関係が厳しく、これまでの伝統という看板で先輩が後輩に厳しく接するというケースが多いようです。自分たちがされたから後輩たちにも同じように、と。どこまでが許容範囲か境界線が難しいところですね。
修行の場面でも「厳しく鍛えられたから今の自分がある」という気持ちから、後輩にも同様に厳しく求めるのも同じですが、受ける側が「悪しき慣習」と思ってしまうのは問題です。特にこのご時世、そういった話題に事欠きません。この辺りはコミュニケーションで誤解を解く努力も必要かもしれません。
「木に縁りて魚を求む」ではありませんが、部下のレベル向上の手段として正しい手法であるか、時に自問自答することも大事でしょう。
[参考]
上に悪む所、以って下を使うことなかれ:原文・書き下し文・意解 言葉の散歩道70 | ナオンの言葉の散歩道
自分が相手の不善・不正・無礼を憎らしく思う時

[中国古典一日一言]

今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

コメント受付中です どなたでもコメントできますがスパム対策を施しています

タイトルとURLをコピーしました