「何事もひけらかさず謙虚に」良賈深蔵若虚

良賈は深く蔵して虚しきが若し

―良賈深蔵若虚―

[原文](史記 老子伝)
良賈深蔵若虚
[書き下し文]
良賈(りょうこ)は深く蔵して虚しきが若し
[原文の語訳]
優れた商人は(商品を店先に並べず)奥深くしまっておいて無いように装う
[解釈]
できる人は自分の才能を表立ってひけらかすようなことはしないのです。 「能ある鷹は爪を隠す」 「大器愚なるが如し」とも言います。いつも何か物足りないように見せかけて謙虚なのです。
「人はその長ずる所に死せざるは寡し(出る杭は打たれる)」です。自分を売り込もとうとするあまり、前のめりになり過ぎないように注意しなくてはいけません。
「吉人の辞は寡く、躁人の辞は多し」「知る者は言わず、言う者は知らず」口数が多いだけで価値の薄い言葉を並び立てるよりも、寡黙でありながらボソッと口にした一言が核心をついていたり、キレのある言葉だったりするのです。
秘技や伝家の宝刀もあまり見せびらかせると威厳や脅威が薄れてしまいますね。
ここぞというところで出すものは、普段は見えないところに隠し持っているものです。
飲食店にはよく「裏メニュー」が存在しますね。骨董店でも逸品は店の奥にしまってあるものです。
同じように人気店はちょっとした不便さがあって、逆に魅力を引き立てるものです。なかなか予約が取れなかったり、営業時間が短かったり、いつも行列ができていたり、見つけにくかったり。もちろんその不便さを補えって余りある感動を提供してくれるわけですが。
Google検索もトップ画面だけ一見すると何の情報もないように見えますが、キーワードを入力してみると…初めて利用した時の衝撃は凄かったです。
[参考]
一日一禅|おてらさん
孔子、礼を問う|東洋哲学文化研究

[中国古典一日一言]

今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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