「人格があれば才能はさらに評価される」徳者才之主、才者徳之奴

徳は才の主、才は徳の奴なり

―徳者才之主、才者徳之奴―

[原文](菜根譚)
徳者才之主、才者徳之奴。有才無徳、如家無主而奴用事矣。幾何不魍魎猖狂。
[書き下し文]
徳は才の主にして、才は徳の奴(ど)なり。才有り徳無きは、家に主なくして、奴の事を用(もち)うるが如し。幾何(いかん)ぞ魍魎(もうりょう)にして猖狂(しょうきょう)せざらん。
[原文の語訳]
人徳は才能の主人で、才能は人徳の使用人である。才能があるのに人徳が無いのは、主人の居ぬ間に使用人が勝手に振舞っているようなもの。だから、化け物出てきて騒ぎ回っても何の不思議はない。
[解釈]
才能のある人間は、人格を高めないと暴走して手が付けられない存在になりえます。
詐欺的の商法で巨万の富を得ている人などは、人徳よりも才能が上回っているということですね。だから違う方向へ暴走してしまう。
組織でもトップが劣っていると私利私欲を貪ったりするなど悪知恵の働く部下の勝手さが蔓延るのも同じです。
スポーツ選手でも才能はあるけど素行が悪いと評価が下がってしまいます。素行の悪さが身を滅ぼすこともあります。
人に興味を持たせ惹きつける才能がありながら、周りの諫言や後のことも考えずに思いつきの自分の理想を独善的に推し進めようとするトップもこういった類ではないでしょうか。
[参考]
菜根譚 超訳:■前集140項

[中国古典一日一言]

今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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