「周囲に徳を広げられるように」善為吏者樹徳

善く吏たる者は徳を樹う

―善為吏者樹徳―

[原文](韓非子 外儲説 左下 第三十三)
善為吏者樹徳、不能為吏者樹怨。
[書き下し文]
善く吏(り)たる者は徳を樹(う)う。能たざる吏たる者は怨みを樹う
[原文の語訳]
良識的な役人は徳を施す、悪しき役人は怨みをかう。
[解釈]
できる人は公平無私で誤りがないか慎重に検討し判断を下すので、結果的に厳しい結論に達しても相手に恨まれることはないのです。
厳しさは愛情の裏返しでもあります。裁判官の一言に心動かされるのもそうなのかもしれませんね。
自ら徳を身につけたうえでの言動は相手をも感化し、徳の心を植えることにもなるのです。だからといって自らを犠牲にしてまではいけませんが。
また役人に限らず善行活動を行っている人はやがて周囲の人をも巻き込んでいくものです。まちづくり活動などもそうですね。
見積もりをとる時、相見積もりで複数比較検討し今回は残念ながら他者に決定した場合にでも、その決定理由をきちんと誠実に伝えることで、選考漏れした相手も改善の余地が見つかることもあるかもしれませんし、縁が切れずに次の機会に再び見積もりをお願いすることもできるのではないでしょうか。
[参考]
沂風詠録:(第139回目)『説苑に見る、人としてのあるべき行動』 – 限りなき知の探訪

[中国古典一日一言]

今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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