「環境は人を変える」居移氣

居は気を移す

―居移氣―

[原文](孟子 尽心上三十六章)
居移氣、養移體。
[書き下し文]
居は気を移し、養は体を移す。
[原文の語訳]
住む場所が気性を変え、身体を養えば体質は変わる。
[解釈]
住む場所や地位によって人の心に大きな感化を与え、人の気性は変わるものです。身体を養えば体質も変わるものです。
孟子自身「孟母三遷の教え」という故事があるくらいです。
高級住宅街、高級マンション、下町界隈、郊外に住むとでは気持ちも変わってくるものです。転居して心機一転などあります。
松下幸之助氏も「生活環境の中心は住まいであり、住まいが人格形成に大きな影響を与えるものである」と言っています。
「太陽が入らぬ家には医者が入る」という言葉もあるそうです。
家だけでなく組織でも、その地位は人に大きな変を与えます。役職が上がれば権限と責任が増えていきますが、それに対する姿勢は心境に変化をもたらすものです。できる組織において若い人を抜擢するのは心境の変化により成長を促す意味が込められているのです。ブラック組織はただ単に押し付けかもしれませんが、これも受ける側が「成長の糧」と前向きに受け止めれば違ってきます。
そう考えると「気の持ちよう」という言葉がありますし、この「気の置き所」をどこにするか、逆に「どこにでも置くことができる」とも解釈できそうです。転居にしても役職転化にしても、その場所に自らをもって行っけるかは結局は「その人次第」自己責任とも言えそうです。
現在でなくても未来の「目指す環境」とすれば、その目標の向かう姿勢でも人は変わってくるという意味もありそうです。
住居が子どもの成長に大きく影響を与えると考えれば、三世代などの家族構成だったり家の中のモノのあり方も考えなくてはいけないですね。
[参考]
居は気を移す:原文・書き下し文・意味 – Web漢文大系

[中国古典一日一言]

平成27年(2015年)5月1日から平成28年(2016年)4月30日までの今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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