「無理な背伸びはしない」名勝恥也

名の勝れるは恥なり

―名勝恥也―

[原文](周子通書 務實第十四)
實勝善也。名勝恥也
[書き下し文]
實(じつ)の勝れるは善なり。名の勝れるは恥なり
[原文の語訳]
実力が勝るのは善である。名が勝るのは恥である
[解釈]
名ばかりは恥ということです。
資質も乏しいのに我欲だけ強く、トップやリーダーになろうというのは恥ずべきことです。仕組みづくりもせずに簡単に人任せにし、名誉や肩書だけ欲しがるような人は見苦しいですね。
できる人は縁の下の力持ちとして活躍し、組織全体が広く喜ばれながら、個人自らが特に評価されることはなくても気にすることもない。しかし周囲はきちんと評価してくれるものです。
大きなことばかり言って実が伴わないから相手にされなくなるのです。
「なんでもできる人」と過大評価をされてしまうと、それに応えようと無理をしてしまいます。その歪みが大きな負担となり、あるとき箍が外れると自他とも失望の念となってしまうので。
周囲を気にするから過大評価を求めてしまいます。周りを気にせず自分は自分という絶対評価であれば身の丈にあった力でも充分なのです。虚勢を張るから周りも実力以上の期待をしてしまうのです。無理な背伸びはしないことです。
縁故や親の七光でも実力が伴っていれば誰も文句を言いません。
繁盛している店が立地の良い場所に規模を大きくして移転することで、経営者の目が隅々まで届きにくくなってしまうか、逆に奥まったところにこじんまりと落ち着き、客数を減らしても目の届く範囲の中で丁寧さを追究するかといったところでしょうか。
[参考]
實の勝れるは善なり。

[人を動かす名言名句集―21世紀に生きる]

平成28年(2016年)9月1日からの今日の一言は「人を動かす名言名句集―21世紀に生きる」からの一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

[中国古典一日一言]

平成27年(2015年)5月1日から平成28年(2016年)4月30日までの今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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