2009/9/13 中日新聞(サイト上)に記事が掲載されていました。
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以下本文
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取り壊しの危機にあった名古屋市緑区有松地区の江戸時代末期の町家が、市や所有者、市民らが知恵を出し合い、解体・補修してデイサービス施設として生まれ変わることになった。
取り壊してアパートにする当初の計画より大幅に上回った修復費は、地元の市民団体が寄付を募る受け皿づくりを進めている。
東海道沿いの古い町並みが残る一角にある町家は、有松絞の開祖・竹田庄九郎の一族が建てた木造2階建て。
7月下旬に取り壊される予定だったが、地元の「有松まちづくりの会」から存続を訴えられた河村たかし市長が所有者に呼び掛けて活用策を模索。最大1億円に上る修復費などがネックになっていた。
調査の結果、町家は柱の腐食や基礎の沈下が進み、元通りの修復は困難と判明。
そこで市は建築会社「オーパス」(岐阜県各務原市)や「トヨタホーム」(名古屋市)と協力し、再利用できる部材を残しつつ、外観を再現することに重点を置いて修復費を抑えた。
テナントとしてデイサービス施設の入居が決まったことに加え、同じ敷地内に建てる計画だったアパートを建築費の補助を受けられる高齢者向けにした。
外観も町家風にして、「施設と合わせ、住民が老後も安心して生活できる拠点に」とのアイデアを練り上げた。
修復費には千数百万円足りず、有松まちづくりの会が寄付を集めることに。
11月に解体工事を始め、来年12月の完成を目指す。
市と民間、地域住民が「三位一体」で進める町家再生の動きに、市教育委員会文化財保護室の大島尚美室長は「費用の問題などさまざまな事情で昔のまま保存できない町家も多い。
新築に近くても町並みを残すモデルケースとして広げていければ」と話している。
中日新聞:有松の町家、福祉施設に 取り壊しの危機から再生へ:社会(CHUNICHI Web)
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2009091302000131.html